説明する

しばしば考える。

自分は何をしているんだろう?本を読むことで、そして言葉を知ることで。
何かを得ているのか、それともただただ時間を浪費し結果としてお腹を空かしているだけなのか、あるいは別の何か…。

 


一般的に、本を読むことと知識や言葉を増やすこととの間には、なんらかのつながりがあるように思う。

 


しかし…。と、僕は考える。
自分は何の知識も増やせていないし、新たな言葉を得ているような気もしない。

なぜだろう。
本を読むその仕方が問題なのかもしれないし、
経験の仕方に問題があるのかもしれない。

 


誰かの言葉の表面を指でなぞり、持ちあげ、携え、いびつなままで誰かに渡す。
自分は、なんだろう、ノイズがかったフィルターのようなものだ。

 


あっと驚くような世界の捉え方が実感できたり、しっくりくる言葉を紡ぎ出せるようになりたいと思う。だけど、もちろんそんな処方箋はなく、一抹のむなしさが肩をかすめる。

劇的に何か変わるわけでもない。劇が何なのかも知らない。

そうして、知らない一日が今日もまた通り過ぎてゆく。

今日も冬だった。