そしてまた自分はまわりくどく、夜は更けていく

その人がいない場面で、その人との関わりによっていかに自分が嫌な気持ちになったりいかに不快と感じたりしたかを、誰か他の人に話すことは、少なくないかもしれない。
誤解をおそれずに言えば、目の前にいない人の悪口を言うことである。

こういうことをしたとき、何らかの罪悪感にさいなまれることになる。
何をやっているんだろうか自分は、と。
そしてまた落ち込む。

もちろん、時と場合によってはその限りではないことは、その通りだろう。
すべての局面でそうである、と一般化することはできない。

いま想定しているのは、日常的にかかわりを持っていて何らかの(制度的な)権力関係もおそらくなく、ある程度は対等であると言えそうな相手のことである。
そうした相手について誰か別の人と、本人が不在の場面で不満をもらすようなことをすると、嫌な気分になることがある。

「言いたいことがあるのなら直接言えばいい」というフレーズが思い浮かぶ。
誰かに愚痴をこぼすなら、第三者ではなくその相手に直接伝えることは、不可欠とまではいかなくとも、大事なことだろう。

ただ、そういうことができればとっくにしている(かもしれない)のであって、できないから第三者に話すということもあると思う。
愚痴をこぼしたいだけということだってあるはずだ。

だけど、やっぱり当の本人に、できる限り細やかに思っていることを配慮しながら伝えて、何らかの反応を待ち、そしてまた応答するというやり取りが、できるのが理想ではある。

と言いつつも、ほとんどできてこなかったし、これからもできないことが多いと思う。それでも、もしどうしてもという気持ちがあるのなら、話せる状況があると良いよなぁとも思う。

それに、直接伝えるときのその仕方も、人格攻撃ではなくて、どちらかといえば「(人格とは切り離した)批判」に近いような、そういう仕方でできたら良いなと感じる。難しいけれど。

 


それとなく一般的であるかのような話だが、あくまで自分のことなので、がんばろうとしか言いようがないかもしれず、そうしてまた夜は更けていくということだなぁ。