2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

自分についての物語

たまに読み返す本に、高井有一の『谷間の道』がある。特にその中の一節の「遠い明り」のことを、僕は折に触れては思い出す。 なぜか?それは多分、自分のことについてそこに少しだけ書かれている気がするから。 でもそれって良いことなんだろうか?と思った…

匂いの引き出し

「きんもくせいの匂いはお祭りの季節!」 そういう事について高校の時、クラスメイトが楽し気に言葉にした。 秋が近づく9月の終り頃だったと思う。夏の気配は過ぎ去り、蝉の鳴く声もいつの間にか聞こえなくなっていた。教室では窓から入るそよ風が心地よく、…