クリームソーダが泡を立て

交わした言葉が浮かんでは消えていく

中身は空っぽの

透明なブドウ

甘くて酸っぱく、ときおり渋い

降り出した雨が斜めに線を引き

待ち針のように果実を突き刺す

穴から傷みが広がって

会話のかたわらに腐り落ちた

皮を拾って縫い繕う

心模様の写すシャツ

あいまいなフレーズで濁ったクリームソーダ

少しこぼれて染みになった